今回の参院選で起きた帰化人候補者騒動

「スパイ疑惑」、公認取り消し… 移民大国日本、混乱の始まりか
キム・テヨン氏の参議院選挙街宣車

キム・テヨン氏の参議院選挙街宣車

各党から帰化人候補

 今回の参議院選挙にあたっては、各党から帰化人候補者を擁立する動きがあり、一部ではちょっとした騒動になった。

 5月27日、NHK党(立花孝志党首)は、参議院比例代表候補に、観光バス会社の経営者で、中国から日本に帰化した原田優美氏(中国名・劉丹蕻)を擁立すると発表した。

 原田氏は記者会見で「移民政策、外国人の土地買収に反対する」と語っていた。

 しかし、原田氏が経営する「株式会社ジョイフル観光」のバスが、来日中国人観光客を満載して、東京の繁華街や観光地など各地で、駐停車禁止場所での、客待ち駐車を常習的に繰り返しており、我が党の金友情報宣伝局長らが12年前から「迷惑観光バス排撃」として、原田氏の「ジョイフル観光」を批判していた事が発覚。

ジョイフル観光に抗議する金友局長(平成22年)

ジョイフル観光に抗議する金友局長(平成22年)

中共のスパイ疑惑

 さらに原田氏は帰化した後も、「わたしは中国人だ」と自称し、中国から「愛国華人」と称えられ、中国の統一戦線組織である「中国人民政治協商会議」傘下で、在外華僑らを組織する「中華全国帰国華僑聯合会」(僑聯)の構成員であり、北京の人民大会堂で開催される大会にも出席していたことも判明した。

 「僑聯」の前身は、中共が昭和17年に、抗日戦争に華僑を動員する目的で組織した「延安華僑救国聯合会」だという。そうした経緯もあり、「僑聯」は中共の意向を受けた華僑らが、対外工作に取り組む組織であることが分かる。

 実際、平成24年に日本政府が尖閣諸島を買い上げた際に、「僑聯」は「日本の釣魚島『購入』を強く非難」と題して「中国の領土を侵犯するあらゆる行為に断固として反撃する」という恫喝じみた声明まで出している。

 しかも原田氏は中国共産党福建省委員会の機関紙「福建日報」の記者であったことも発覚した。

 また、令和元年10月には、中国海軍の駆逐艦「太原」が横須賀港に来航した際、原田氏のバス会社が中国大使館の動員業務を担い、在日中国人を横須賀まで送迎していたことも分かった。

 これらの「疑惑」を、同じくNHK党の比例代表候補であった西村斉氏が追及。「尖閣諸島は日本固有の領土であるという声明を出すべき」と迫った。

 この一連の疑惑から「スパイ・工作員だ」「公認すべきではない」という声が殺到し、炎上状態となった。

ポストに「福建日報」の表記がある原田氏の関係先

ポストに「福建日報」の表記がある原田氏の関係先

帰化人候補紹介に暗躍した与野党関係者

 そうした事態を受けて、5月30日に立花党首が原田氏について「スパイかどうかは判断できない」とした上で、不審な言動がいくつも見受けられたとして、「誰かの指示のもとに動いている。工作員ってこうなんだろうな」と語り、「公認取り消し」を発表した。

 さらに立花党首は、この原田氏をNHK党に紹介したのが、維新の会の池畑浩太朗衆議院議員の秘書で元衆議院議員の高村勉氏であること、また他の中国からの帰化人が候補者となるように自民党の藤末健三氏から紹介を受けていたことを明かした。

 特に、藤末氏が紹介した帰化人は、公認にあたり巨額の金を提示した疑惑も取り沙汰され、「中国が日本の議席を買いに来ているのか」と大きな反響を呼んだ。

中国大使館の動員業務をおこなうジョイフル観光

中国大使館の動員業務をおこなうジョイフル観光

公認取り消しを巡り割れる判断

 このNHK党が原田氏の公認を発表したのと同じ27日、政治団体の「新党くにもり」も、ウイグルからの帰化人であるグリスタン・エズズ氏を神奈川県選挙区に公認候補として擁立することを発表した。

 これに対して、同党の愛知県公認候補予定者であった山下俊輔氏が異議を唱えたところ、6月5日に「新党くにもり」から、山下氏の公認が取り消される事態になった。帰化人側の公認を取り消したNHK党とは真逆の対応で、判断が割れた形だ。

 これに対しては、同党の支持層でも「日本人よりも帰化人を優先するのか?」と、激しく意見が分かれ、物議を醸す騒動となった。

外国人優遇政策続々

 また、社民党は元韓国人の大学教員である金泰泳氏を比例代表候補で擁立すると発表した。

 金氏は政策として、定住外国籍住民への地方参政権付与」「朝鮮学校授業料無償化の実現」「慰安婦・徴用工に問題があったことを認める」など、外国人優遇政策を明確に打ち出していた。

 また、竹島問題について「竹島が日韓どちらの領土かということには諸説あり、いまこの場でどちらだと断定しかねる」「日韓による共同管理を提案したい」と発言した。

 金氏は4月になり、れいわ新選組からの立候補へ鞍替えしたが、「多文化共生・ダイバーシティの実現」などを訴える政策は変わっていない。

自民党からも…

 自民党も5月30日に、元国連事務次長補付特別補佐官で中国(ウイグル族出身)から帰化した、えりアルフィヤ氏を比例代表候補として公認すると発表した。

 えり氏は記者会見で「日本に帰化した両親のもとで日本人として生まれ育った」と話したが、実際は昭和63年に外国人の両親のもと日本で生まれ、平成11年に両親と共に帰化するも、その年から、親の仕事の都合で中国で育っている。親と一緒に帰化しているのだから、当人も帰化一世だ。

 また、えり氏は6月20日に「(ヘイトスピーチは大量虐殺の前触れだから)日本でも規制を強化し、構造的に対応する必要があります」と主張していた。

 このように今回の参議院選挙には、与野党から左右を問わず、複数の帰化人が出馬したが、全員に共通するのは、外国との友好や、外国人の尊重を主張していることだ。

 こうした流れは、日本がますます移民国家となっていくにつれて加速していき、日本社会に少なからぬ混乱をもたらす可能性を孕んでいるのではないだろうか。

(編集部)