日本に帰化制度はいらない(金友隆幸)
習近平が日本の総理大臣になれる
「習近平が日本の総理大臣になることは可能だし、元人民解放軍の人間が自衛官になれる」と聞いてどう思うだろうか。「そんな馬鹿な」と思うだろうが、これは事実だ。日本に「帰化」して日本国籍を取得すれば可能になってしまうのだ。
もちろん習近平が日本の総理大臣になる可能性は限りなくゼロだろうが、中国人が帰化し、防衛大学校に入り共産主義研究会を組織しようとしていたことが10年前、『新潮45』で報じられて問題になったことがある。
日本に5年以上引き続き居住しており、20歳以上で、素行が善良で自ら生計を営むことが出来るとされたら「帰化」の許可を得ることが出来る。日本国籍を得るのは、難関大学や有名大企業に入るよりもずっと簡単なのだ。行政書士事務所での「帰化手続き」費用を見ると10万円前後。車の免許を取得するよりも安い値段で日本国籍が取得できてしまうのだ。
移民国家より緩い日本の国籍
日本国籍を取れば選挙権も被選挙権を得られるし、自衛官にも警察官にもなれてしまう。すでに国会議員にも帰化人がいるのは皆の知るところだし、全国の地方議会でも複数人の帰化人議員がいる。移民国家のアメリカですら、国籍を取得してから一定期間を経なければ連邦議会議員の被選挙権は得られないし、帰化人は大統領選挙に立候補できない。民族国家である日本が移民国家であるアメリカよりも帰化人の取り扱いが緩いのは歪だ。
「帰化して日本人を少数民族にしてやる」
大阪で在日朝鮮人の権利運動を展開して日本に「帰化」した李敬宰は次のように発言している。
「外国人がたくさん日本国籍を取ったほうが、早く天皇制は潰れると思います。というのは、この先もどんどん外国系市民が増えます」「そうなれば、日本で大和民族がマイノリティーになる」「(私は)日本人を差別して死にたい」「そういう社会が来たら、その時に天皇なんていうのは小数民族の酋長さんみたいなものになります。こうした素晴らしい戦術がある」
こんな発言をする人物にすら、すんなりと日本国籍を与えてしまい、それを剥奪して追放もできないのが現在の国籍法と帰化制度なのだ。
現状を想定しなかった国籍法
そもそも現在の国籍法と帰化制度は、明治32年に制定された旧國籍法を元にしている。この時代の外国人入国者数の記録は自分の手元に無いが、昭和10年の訪日外国人数が、年間約四万人とあるから、明治時代以降の帰化者も年間数人程度であったことが察せられる。
しかし今や、去年の訪日外国人数が3000万人を超えており、戦前の800倍ちかく増えている。現行の国籍法はここまで大量に外国人が日本に殺到し、続々と「帰化」する事態を想定していなかったといえる。そうであれば、現状にあわせた法律と制度の改廃が必要になってくる。
日本に帰化制度はいらない
少なからぬ保守派は外国人参政権に反対する口実として「帰化すればいい」と言うが、すでに紹介したように「帰化」は簡単に出来てしまう。そして、先に挙げた李敬宰のように反日思想剥き出しでも容認される「帰化」など、事実上の外国人参政権に等しいものではないか。
あるいは「帰化する時に、日本国へ忠誠を誓うことを義務化すればいい」といった意見もある。我が党もこの立場であったが自分はこうした考えには疑問だ。中国人が「帰化」せんがために「日本に忠誠を誓います」と言ったところで誰がそれを信用するのか。そもそも何人たりとも内心の証明なんてしようが無いのだ。だったら帰化制度そのものを廃止してしまえば良い。
まず、帰化制度が廃止されたところで日本人は誰も困らない。スポーツの日本代表から「元外国人」がいなくなるかもしれないが、大した問題ではない。それに、外国人も大して困らないのではないか。永住者となれば国家公務員や政治家を除き、就労の制限も無いし、一部の自治体では公務員にもなれる。不動産も自由に取得できるし、公営住宅にも入居できる。国民健康保険にも年金にも加入できるし、生活保護も受給できる。むしろ多くの権利が認められすぎていて問題なぐらいだ。帰化が出来なくなれば、外国人が大相撲の親方になれないそうだが、それは日本相撲協会の問題だ。
外国人が日本人と結婚すれば、その子供たちは自然と日本人になっていく。無理に来日一世が「帰化」して選挙権を得て日本社会に疑念と軋轢を生むよりよほどスッキリするだろう。
世界ではほぼ全ての国が国籍取得制度(帰化)を設けており、日本だけ帰化制度を廃止するのは困難ではないかという意見もある。そうだとするなら、現行の帰化に際しての居住要件5年を、20年もしくは30年に引き延ばし、帰化後も被選挙権を付与する必要は無いように法改正する必要があるだろう。
日本で一番に考えられるべきは日本人の安全安心と幸福だ。今の時代に合わなくなった旧態依然の帰化制度は日本にいらないのだ。
日本国民党情報宣伝局長 金友隆幸