トルコに「クルド人迫害」はあるのか? 日本国民党政策局長 川東大了
 先日、ウクライナを訪問した後にトルコのイスタンブールとアンカラにも足を運んだ。
 先日、ウクライナを訪問した後にトルコのイスタンブールとアンカラにも足を運んだ。
イスタンブールは日本人にも知名度の高い町の一つだが、そこはヨーロッパとアジア、そしてアラブが摩訶不思議に混ざり合う不思議な魅力に包まれた都市であった。
三泊して主だった観光地を巡ってみたが、イスラムの祈りの放送が街中にスピーカーで流れる中、多くの白人(ヨーロッパ)の人々が行きかう。
世界的に大人気の観光地なので、世界中から多くの人が集まって来ているし、留学や就労などで移民として暮らしている外国人も多いだろう。
ヨーロッパ・アジア・イスラムの民族に、イスラム教・キリスト教・ヒンズー教などの多くの宗教、多種多様な民族と宗教が、ある面では混ざり合って、ある面では混ざらないで存在している。
何とも一言では形容しがたいが、初めて訪れた者を魅了する不思議な世界がそこにはあった。
日本国内では昨今、トルコから「難民」を自称してやってきたクルド人が引き起こす問題が取り沙汰される事も多いが、クルド民族はかつてのユダヤ人のように「祖国」を持たない人達だ。
国籍としてはトルコ国籍になるようだが、彼らの民族意識としてはトルコ国へ所属すると言う意識は(おそらく)薄いのだろう。
しばしばトルコ国内で迫害される立場にあって、難民を自称しながら日本に逃れてくると言う話を聞く。
火のない所に煙は立たぬとも言うが、正直、イスタンブールで多くの人種や宗教の人達が混ざり合って暮らす街を見ると、クルド人だけがトルコの中で何故に迫害を受けるのか? と疑問に感じる。これだけ多くの人種や宗教を受け入れて成り立つ多様な国がトルコだ。
 日本国内で、在日台湾人と在日朝鮮人が同じような歴史的経緯で居住しているにもかかわらず、前者と後者で正反対のように親日と反日の存在となっているが、何か理由はあるのだろう。
 日本国内で、在日台湾人と在日朝鮮人が同じような歴史的経緯で居住しているにもかかわらず、前者と後者で正反対のように親日と反日の存在となっているが、何か理由はあるのだろう。
シリアやイラクとの国境付近は危険との情報もあるので、イスタンブールやアンカラの町とは想像も出来ないような場所も多いのだろう。しかし、私の見たトルコの街は内戦はおろか、特定民族への迫害、紛争が生じているようには見えず、いたって平和な街だった。
治安が悪く生活環境が悪くなれば、より良い所へ大勢の人達がやって来るのは当然だが、受け入れる側にとっては負担やリスクとなるのも当然である。
トルコは世界でも有数の超親日国である。そんなトルコとの関係が不良クルド人達の為に悪化するの避けたいものだ。
トルコ人たちも日本での「クルド人問題」には心を痛めているという。しかし、そうしたトルコ人たちであっても、「違法なクルド人を強制送還、入国拒否するのは日本側の問題」と考えているそうだ。「クルド人問題」を解決するのは、日本側の毅然たる姿勢一つだろう。
(しんぶん国民7月号)

