眞子内親王殿下御成婚万歳!「玩皇家」が皇統をおびやかす(今さら聞けない皇室研究会顧問 村田春樹)

今さら聞けない皇室研究会顧問 村田春樹

今さら聞けない皇室研究会顧問 村田春樹

皇族に暴言を吐く「尊皇家」?

 いま保守業界で一番憎まれている親子は誰であろうか、河野洋平太郎親子? いや違うKK親子である。そのKK氏と眞子内親王殿下の御結婚がほぼ決定的となり、週刊誌は「暴走婚」だの「皇室崩壊」だの書き立てている。

 我が保守業界の発狂は頂点に達し、某有名皇室評論家のA氏などは「本名を言うと口が汚れるからKKと呼ぶ。」とご発言。

 よほど高貴なお口なのだろう。自ら撮影している動画番組で「KKは穢らわしい」とご発言、わざわざ字幕にまで書いている。

 いまどきこの「穢」という字を人に対して使って良いものだろうか。A氏は語る「KK氏が皇居のお濠を渡る度に日本国の運気が下がる」

 なるほど、過去に福島瑞穂だの土井たか子だの何回もお濠を渡っている。我が国の運気が地を払うのも無理はない。

 A氏は猟奇的犯罪者でもない刑法犯でもない一青年を、かくまで蔑視するのはさぞかしご身分が高いからであろう。

 尊皇家B氏は、「結婚後眞子(呼び捨て)はあの親子に生命保険をかけられて殺される」とネットに書き込んでいる。

 尊皇家C氏にいたっては「詐欺師と馬鹿娘の結婚」と断じ、「どこが悪い、どこからでもかかってこい」と息巻いている。

 彼らがかねて望んでいた「不敬罪復活」が実現したら、反天連より先に彼ら尊皇家ご自身が「御用」になるだろう。

尊皇ではなく「玩皇」

 実は彼らにとっては天皇も皇族も尊崇の対象ではなく、愛する対象でありアイドル歌手の様なものなのだ。気に入った歌を歌っていれば大好きで玩(もてあそ)ぶが、自らの意に添わないと弊履のように捨てて罵り始める。歌手一年総理二年皇族○年の使い捨て。私は彼らを尊皇家でなく「玩皇家」(がんのうか)と呼ぶ。「○○天皇は偉かった」(△△天皇よりずっと偉いと言わんばかり。)「○○内親王は素晴らしい、御結婚相手も素晴らしい」(△△内親王はだめ)こういうのは尊皇家ではなく「玩皇家」であり、比較論評して喜んでいる皇室評論家である。

 彼らは今回の騒動で「国民の理解が得られていない」と叫ぶ。

 大阪の尊皇家(本物)の某弁護士が嘆く「日本国民は一体いつから皇族の結婚に口を挟む様になったのか」と。同感だが答えは、いわゆる日本国憲法第一条にある。

日本国憲法第一条

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 前段はマッカーサーが、後段は極東委員会のソ連が書き込んだ事は知られている。「国民の総意」を得ようとした瞬間に「無私」の大御心は失われ、国民(愚民)の人気を気にするようになる。

皇位は天壌無窮の神勅に基く

 そもそも天皇や皇族の人格や家族愛、良き家庭人であることを褒めそやす「尊皇家」が多い。

 しかし人格が良いに越したことはないのだが、人格が良くても仮に悪くても天皇は天皇、皇族は皇族、同じように偉く尊いのだ。「天皇の地位は天壌無窮の神勅のみに基く」のであり「国民の総意」など要らない。

 愚民の意に添う必要などさらさらない。私は紀宮清子内親王殿下の降嫁の際、二重橋で万歳三唱し、高円宮家の絢子女王殿下の御降嫁の時も式場で万歳を三唱した。眞子内親王殿下の際もお相手が誰であろうと、万難を排して万歳を叫びに行く。

 玩皇家は言う。「お相手が気に食わないから今回は行かない」

 いずれにせよ初一念を貫き、生涯をかけた恋を実らせようしているお二人に心から祝意を表したい。

 なにしろ、もし眞子内親王殿下がこの恋に破れたら、一生独身である。この秋降嫁すれば、「女性宮家」なる策謀は潰えることになり、二重にめでたい。佳子内親王殿下が結婚されて女性宮家を創設するわけがない。姉が平民で妹が宮家などあり得ないからだ。

 同様に三笠宮系の女王お三方も女性宮家の対象ではなくなる。内親王が平民で女王が宮家などあり得ないからだ。残るお一方、敬宮内親王殿下が女性宮家になることもあり得ない。ご両親、特にお母様が女性宮家には猛反対だからだ。

 つまり推進派にはお気の毒だが、女性宮家構想は過去のものになる。

無責任なネット言論が皇統を脅かす

 しかし喜んでばかりもいられない。新たな皇室の危機が生じてきた。秀吉の刀狩り以来大衆は丸腰だったが、ここにきて俄に武装しはじめている。ネットという銃弾である。

 ネットの発達は既存の左傾マスメディアに対する強力な武器となったが、なんと今やその銃弾の矛先は「皇室」に向かっている。

 過激派は火炎瓶を擲げるが犯人はすぐ捕まる。ところがこのネットの銃弾は身元はばれない。今回の眞子内親王殿下御成婚が終わったら、佳子内親王殿下はじめ他の姫宮さまの御結婚でも銃弾は火を吹くだろう。

 悠仁親王殿下のお妃選びには最大級の猛烈な十字砲火が浴びせられるだろう。

 周囲のご令嬢は蜘蛛の子を散らすように逃げ、悠仁親王殿下は一生独身となれば、まさに皇統の危機である。

 旧宮家を復活? これも機関銃の格好の餌食となり候補の旧宮家を薙ぎ倒すだろう。シナやロシアによってではない、「玩皇家」、日本愚民が日本を亡ぼしていく。