外国人生活保護問題で 厚生労働省に抗議!

呆れた新通達「外国人が生活保護申請をためらうことのないよう」

夫が無免許運転で逮捕されたブラジル人が生活保護申請
 
 去年11月、愛知県安城市役所に、夫が無免許運転で逮捕され、収入がなくなったというブラジル人女性が生活保護の申請に訪れた。
 
 それに対して、対応した職員が「外国人には生活保護費は出ない」「国に帰ればいい」「入管や領事館に助けてもらうべき」として申請を拒否した。
 
 すると、このブラジル人女性は、申請を拒否されるや、すぐに愛知県弁護士会に人権救済の申し立てをした。
 
腰砕けになった安城市と厚労省
 
 安城市側は職員の対応を「不適切」として、ブラジル人女性に生活保護の支給を決定。さらに今年6月には安城市長が謝罪した。
 
 この一連の出来事を踏まえて、厚生労働省は今年3月に作成した「社会・援護局関係主管課長会議資料」で、「生活に困窮する外国人が生活保護の申請をためらうことのないよう、生活に困窮する外国人に対する生活保護の適切な対応について引き続き周知徹底願いたい」とする新しい通達を出したのだから、呆れた話だ。
 
法的根拠の無い特例措置
 
 本紙読者の方は重々ご存じのことだが、外国人に生活保護を支給する法的根拠は存在していないし、困窮した外国人を保護する責任は、外国人の属する祖国にある。これは最高裁判所判決でも確定している。
 
 それでも日本の自治体が外国人に生活保護を出し続けるのは、「昭和29年の厚生省社会局長通知」という、法律ではなく一官僚の出した「通知」しか根拠がない。
 
 昭和20年の大東亜戦争終戦と、戦後の混乱期という社会情勢、そしてサンフランシスコ講和条約によって、日本国内には日本国籍を離脱した「元日本国民」である在日朝鮮人、台湾人が大勢いた。
 
 台湾は国共内戦後であったし、朝鮮半島は朝鮮戦争があり、日本がそれらの政府に対して保護の打診をする状況になかった。
 
69年も続く「当分の間」
 
 そこで当時の厚生省社会局長は、「外交機関より救済を求めることが現在のところ全く不可能である点」を踏まえ、特例的に外国人(元日本国籍者ら)に対して「当分の間」、日本国民に準じて保護をおこなうよう「通知」を出した。
 
 この「当分の間」が、すでに69年も経ってしまっている。
 
 昭和29年に生活保護を受けた外国人がいたとしたら、その子孫は、4世代目、早ければ5世代目が産まれていてもおかしくない。
 
 これだけ長期にわたる「当分の間」は、他になかなか類例を見ない。
 
 しかも、今回の厚労省の新通達にある表現は、これらの「昭和29年の厚生省社会局長通知」にある特例的措置よりも踏み込んだ内容になっている。
 
 これでは「外国人の保護申請を断わると左翼弁護士のとこに駆け込んでゴネると面倒だから支給しておけ」と言っているに等しい。
 
 今回の新通達が出されたことを受け、日本国民党では、次の通り、厚労省に対して抗議文を提出した。
 
 
 
抗議文
 
令和5年7月7日
厚生労働大臣
加藤勝信 殿
 
日本国民党
代表 鈴木信行
 
 我が党は、日本国民の為の日本を実現することを目的とする政治団体である。
 
 厚生労働省保護課は、令和五年三月に配布した「社会・援護局関係主管課長会議資料」において、「生活に困窮する外国人に対する生活保護の適正な実施について」と題して、去年十一月に愛知県安城市において、生活保護の申請に訪れたブラジル人に対して、窓口の職員が「外国人には生活保護費は出ない」「国に帰ればいい」と発言したことにより、当該ブラジル人が県弁護士会に人権救済申立てをした事案を踏まえて、「昭和二十九年の厚生省社会局長通知」に基づいて、「生活に困窮する外国人が生活保護の申請をためらうことのないよう、生活に困窮する外国人に対する生活保護の適切な対応について引き続き周知徹底願いたい」と通達している。
 
 そもそも「昭和二十九年の厚生省社会局長通知」は、「外国人は法の適用対象とならない」のを大前提としている。
 
 しかしながら、その当時の時代状況と現実に鑑みて、大東亜戦争終戦以前から日本国内に居住し、昭和二十六年の「日本国との平和条約」(サンフランシスコ講和条約)に基づいて日本国籍を離脱した在日朝鮮人、台湾人など「出入国管理に関する特例法」(入管特例法)に該当する外国人(元日本国籍者)を特例的に保護したものである。
 
 そして、それら外国人(元日本国籍者)を保護する理由として、「種々の外交問題が解決していない以上、外交機関より救済を求めることが現在のところ全く不可能である点」をあげており、特例的な保護を実施する期間については、「当分の間」としていた。
 
 しかし、同局長通達より既に六十九年が経過し、当時の外交問題の多くが解決し、国交の無い北朝鮮などを除いて、外交機関から困窮した在留外国人への救済を求めることは可能となっている。
 
 それであるにもかかわらず、生活保護を受ける外国人の数は増加を続け、その対象は入管特例法に該当する特別永住者(元日本国籍者およびその子孫)以外の外国人にも拡大しているのが実態である。
 
 すでに平成二十四年の最高裁判決においても、「生活保護法が保護の対象とする「国民」に外国人は含まれない」「生活保護法が永住外国人に適用されると理解すべき根拠が見当たらない」としており、外国人の生存権保障の責任は第一義的にその者の属する国家が負うべきものであり、その外国人が属する国から必要な保護または援護を受けるのが原則である。
 
 ところが、今回の「社会・援護局関係主管課長会議資料」は、こうした「昭和二十九年の厚生省社会局長通知」の前提と現実および、平成二十四年の最高裁判決を踏まえておらず、「外国人が生活保護の申請をためらうことのないよう」とするのは、法的根拠も無い「通達」によって厳正な法の運用を歪め、外国人への野放図な生活保護支出を加速させるものであり強く抗議する。
 
・厚生労働省は、「昭和二十九年の厚生省社会局長通知」において、「当分の間」としながら約七十年におよんだ外国人生活保護を打ち切れ。
・厚生労働省は、独立の生計を営むに足りる能力が無く、当該国および外交機関も保護を拒否した外国人については、出入国在留管理庁の管理事務に協力するよう指導せよ。
 
右、強く抗議する。