参院選でも噴出した帰化人問題 世界一ゆるい帰化制度に群がる中国人
七月におこなわれた第二十七回参議院議員選挙においても、「帰化人候補者問題」が何度も話題となった。
帰化して日本国籍を取得した者は、憲法および公職選挙法に基づき、日本国民として選挙権・被選挙権が付与される。
参議院議員の立候補には「満三十歳以上の日本国民」という条件のみがあり、帰化後の経過年数や出身国に関する制限は存在しない。
そのため、帰化直後でも立候補が可能だ。しかし、この「即時性」が他国と比較して緩いとされ、安全保障や国家への忠誠心の観点から問題視する声が出た。
安全保障上のリスク
帰化人が母国との関係を維持している場合、立法過程の情報、国家機密情報が外国に流出する可能性が指摘されている。
例えば、今回の参議院選挙では、中国から帰化して維新の会比例代表から立候補して当選した石平氏に対し、中国共産党との繋がりを懸念する声が上がった。また、同じく中国から帰化して東京都選挙区から無所属で出馬した吉永藍氏についても、過去の言動から中国との関係性が疑われた。
前回、令和四年の参院選では、NHK党から帰化人の原田優美こと劉丹紅が立候補しようとするも、経営する観光バス会社が違法・迷惑行為を常習化しているのと、本人に中国共産党の「スパイ疑惑」が出て来た為、公認取り消しに至った事例もある。こうした懸念が「帰化人候補者」による安全保障上のリスクをめぐる議論を高めている。
二重国籍問題
日本は二重国籍を原則として禁止しているが、国籍離脱の手続きは各国によって異なるし、アルゼンチンやブラジルなど「国籍離脱」を認めていない国もある。そもそも血統主義の国の男女が国際結婚すれば、子供は必然的に「二重国籍」になってしまう。そうした法の不備や「偽装日本人」の可能性が指摘され、立候補資格の厳格化を求める意見が出ている。
帰化人の立候補や二重国籍者の立候補を認めるなとの意見もあるが、前者は現行憲法が定めた「国民平等」の原則に反するし、後者も血統主義、国籍離脱を認めない国がある以上、完全な実施は難しいだろう。
透明性と公開義務
帰化履歴の公開を義務付けるべきとの主張もある。有権者の知る権利や政治的透明性を確保するため、候補者の背景情報を開示する必要性が議論されている。
例えば、今回の参院選で帰化人として当選した石平氏は「政治家は全員出自を明らかにすべき」と発言している。帰化して国会議員になった人が言うからこそ、この主張は説得力がある。
帰化人の立候補制限憲法が定めた「国民平等」に反する可能性がある一方、国家にとっての安全保障や国益保護の為の合理的な措置とみなす事もできる。
この点で、帰化後の「クーリング期間」(一定期間経過後の被選挙権付与)や、その人物の背景調査の強化も一案だろう。
諸外国での帰化と参政権
アメリカ大統領選挙は「生まれながらの市民」に限定され、連邦議会議員も帰化後七年から九年の経過が必要とされている。「移民国家」といわれるアメリカの方が日本よりも帰化人と参政権には厳格だ。
オーストラリアは二重国籍者の立候補を憲法で禁止している。二重国籍が発覚した議員は当選が無効となり取り消されている。平成二十九年には副首相のバーナビー・ジョイスがニュージーランドとの二重国籍である事が判明し、最高裁は議員資格を取り消した。副首相でも容赦しないのだから厳密な運用といえよう。
ドイツとフランスでも議員への立候補には帰化後の居住年数が八年から十年が必要で、国家への忠誠宣誓が求められている。
それに比べて日本の帰化制度と帰化人への参政権は緩すぎる。来日して五年で帰化でき、永住権の取得よりも期間が短い。
しかも、帰化要件に日本語能力や文化的知識の明確な基準も無く、日本人配偶者と海外で結婚生活を過ごした外国人なら来日後最短一年で帰化・立候補できてしまう。これは明らかにおかしい。
参院選での具体例
日本維新の会が中国出身の石平氏を比例代表候補として擁立したが、「帰化一世の立候補は認めるべきでない」との反対意見がネット上で多く見られた。石平氏は四七九三九票を獲得し当選したが、議論を呼ぶ結果となった。
「日本人ファースト」を掲げた参政党は帰化人の立候補を認めない方針、外国人参政権や帰化一世の被選挙権に反対を訴えた。
帰化要件を見直しとしては、帰化要件に日本語能力の明確な基準や忠誠宣誓の導入、歴史・文化知識の確認を求める提案もある。
「忠誠宣誓」が無いのも問題だが、もし仮に実施したとしても、嘘と悪意を持って「宣誓」した者を区別するのは不可能に近い。
欧米のように「クーリング期間」を設けたり、その人物の背景調査も重要だろう。
しかし、それらを実施する手間と労力を考えると、そもそも「帰化制度」そのものを廃止にすればよいだけではないだろうか。

