西川口の新興中国人街を見る(1)日本人が異人になる街(金友隆幸)

 埼玉県の川口市にあるJR西川口駅の西口側で中国人をはじめとした外国人が激増している。

 令和2年2月11日の産経新聞報道によると、平成26年と令和元年を比較して、外国人住民の増加率は埼玉県が日本一だった。その埼玉県の中で外国人が最も多く住むのが川口市だ。法務省の統計によると、川口市に住む外国人は約3万9000人で、東京都新宿区をおさえて全国1位だ。

 内訳としては、半数以上の約6割という圧倒的多数を中国人が占め、1割程度がベトナム人、韓国人7%、フィリピン人6%、トルコ人3%と続く。

 元々、西川口駅周辺は風俗店を中心とした繁華街だった。十数年前に多くの風俗店が取締りで閉店。それを埋めるかのように、中国人の店が相次いで出店し、この十数年にわたって、すっかり「チャイナタウン」へと変貌してしまった。

駅前ビルのテナント・商店のほとんどが中国系(1)

駅前ビルのテナント・商店のほとんどが中国系(1)

駅前ビルのテナント・商店のほとんどが中国系(2)

駅前ビルのテナント・商店のほとんどが中国系(2)

 西川口駅の西側に降り立つと、まず目につくのが、中国人向けの店が多く入った駅前ビルだ。西口を出て左側の飲食店もほぼ全て中国人の店だ。

 そして街中いたるところに中華料理店と中国人向けの商店が乱立している。しかも、中国各地の料理店が揃っているのだから、その多さは桁違い。

町中に中国人の中華料理屋が乱立している(1)

町中に中国人の中華料理屋が乱立している(1)

町中に中国人の中華料理屋が乱立している(2)

町中に中国人の中華料理屋が乱立している(2)

町中に中国人の中華料理屋が乱立している(3)

町中に中国人の中華料理屋が乱立している(3)

町中に中国人の中華料理屋が乱立している(4)

町中に中国人の中華料理屋が乱立している(4)

 路地によっては目に付く店全てが中国人の店ということもある。理髪店にネットカフェ、マッサージ店、カラオケ店から八百屋や魚屋といった、生活に密着した商店にいたるまで全て中国人の店だ。

 町を歩いているのもほぼ中国人かベトナム人であり、日本人は稀だ。

 そしてとにかく、中国語をはじめとした多言語の注意書きがあちこちにあふれている。自転車の違法駐輪、客引き、ゴミ捨て、路上駐車。あらゆるトラブルが頻発していることがうかがえる。

中国語の注意書きがあちこちに(1)

中国語の注意書きがあちこちに(1)

中国語の注意書きがあちこちに(2)

中国語の注意書きがあちこちに(2)

中国語の注意書きがあちこちに(3)

中国語の注意書きがあちこちに(3)

 路上にはゴミが散らばっているところもある。マンションの前には粗大ゴミがそのまま放置されていた。これも新宿をはじめ外国人集住地区に見られた光景だ。道路の高架下には常習的に粗大ゴミが不法投棄されるため、「不法投棄禁止」の貼り紙と、防犯カメラがとらえた不法投棄の瞬間の画像まで掲示して警告している。以前確認したところでは、大きなテレビ台や机、家電製品など、引っ越しの荷物かと思うような量が不法投棄されていた。

不法投棄が集中する場所

不法投棄が集中する場所

飲食店前の路上に散乱するゴミ

飲食店前の路上に散乱するゴミ

 町中にあるコカ・コーラの自動販売機も中国仕様となっており、簡体字表記と金色の龍が描かれていた。店だけではなく、自動販売機まで異国の地だ。

中国語自販機

中国語自販機

 こちらが中国人は見れば分かるのと同じように、中国人も日本人は見分けが付くのだろう。私のように街の景色を眺めながら歩いている日本人に、彼らは怪訝そうな目をして見てくる。

 日本人も日本語も必要としない、中国人ばかりのコミュニティが出来上がってしまえば、たとえそこが日本国内であっても、日本人は「異人」となるのだ。(続く)

(金友隆幸)