【書籍紹介】『歴史人物になってみる日本史』安達弘 著、高木書房 刊
熱心な教育者は、優れた日本人を育てる工夫に余念がない。生徒諸君が「歴史上の人物」に成り時代の空気に溶け込む「追体験」を為る。
此の実践経験主義は、未来永劫持続する日本人の素晴らしさに目覚め、大和民族としての誇りが舞う。其の為に安達教師は、熱血を注ぐのである。
本書では、仁徳天皇から近代まで、日本を為す十人の偉人を取り上げ其の時代に生きる人々の肉声の立場を会得する事が重要視される。当事者の立場からレンズを通した屈折した日本史「国史」為る「史的唯物観」を除外出来る。
此処から浮かび上がるものと云えば、深層・民族の躍動する息吹の慧眼。こうした學の姿勢は、硬直した大人こそ「なってみる」べきである。
本書で取り上げられる人物。
- 仁徳天皇
- 聖武天皇
- 藤原道長
- 源頼朝
- 北条時宗
- 織田信長
- 豊臣秀吉
- 徳川家康
- 杉田玄白
- 高杉晋作
(評者 文藝評論家 蓮坊公爾)